株式会社オーアンドケー様(以下、同社)は、会社全体としてBCP(事業継続計画)対策の意識が高く、工場全体を水害から守るために擁壁を厚くするなど様々な災害対策を実施している。その一環でデータセンターを利用した堅牢なシステム環境構築やIBM iの冗長化ソフトQUICK-EDDを利用して二重化することでシステム面でのBCP対策も実施している。今回は、QUICK-EDDを利用した本番業務を自動切替でおこなう運用体制により突然のマシン停止にもスムーズに本番業務の切替を実施したお話を同社システム本部長の有井氏を中心に取材を行った。

POINT!!
  • 会社全体でBCPの意識が高い
  • データセンターで障害対策、さらに社屋で災害対策
  • 自動切替による運用体制を実施

BCP対策の取り組みについて

 同社は、様々な方面でBCP対策を取り入れリスク管理をおこなっている。例えば、現在は、近くにある中島川の氾濫による水害に備えて、工場全体を守るために擁壁を厚くする工事をおこなっている最中だ。
 30年前ほどに台風で中島川の水が溢れ返り、工場が水につかってしまった経験がある。当時は、工場の中の機械やモータが水につかってしまいかなりの被害を受けた。会社の裏にある運送会社のトラックに製品を乗せてもらうなどして製品は助かったが、このような経験から防災に対する意識が非常に高い。 2018年8月に西日本方面で多くの被害をもたらした台風21号では、会社を含めた地域が停電になった。
 停電になると工場内の「炉」が停止してしまうため、台風の予測をみて計画的に「炉」を停止させ主要な数人の社員だけを残し、他の社員は帰宅させるなど事前の対策をとった。当時は1日ほどの業務が停止したが、同年からこのような災害に備えた事前対策を実施するようになった。
 その他、災害対策としては、社内のコンテナボックスには社員用の毛布や食料など備蓄品も備えている。

 

システム面でのBCP対策

 システム面でのBCP対策としては、2005年にHAを導入。当時、IBM iのリプレイス時期であったことと、取引先がおこなっているバックアップ体制の話を聞き、同社も災害対策をとることになりHAを導入した。大阪と東大阪の工場にIBM iを設置し二台体制を開始。
 約12年間この二重化による災害対策をおこなっていた。ところが、2017年に本番機の電源部分が故障し、マシンが停止した。バックアップ機での切替運用を行うと、アドレス変更等で1日要するため、IBMの部品調達で修理を行う方向がベターと判断し、修理まで業務が半日止まってしまった。マシンが停止すると業務に支障がでてしまい、お客様に影響を及ぼすため、このことを教訓とし、マシンのハードウェア的障害に備え東大阪にあったIBM iは災対機とし、大阪工場の本番機、新規マシンを冗長機としてデータセンターに移設した。データセンターに移設することでマシンのチェック体制も整い、それと同時に、本番機停止時には、業務を自動切替にする設定にした。現在は、本番機の突発的トラブルの対応として、冗長機を本番機と同じデータセンターに設置、大規模災害対策として同社別工場に災対機を1台設置し、合計3台体制で自動切替の運用をおこなっている。
 多くのQUICK-EDDユーザー様は、本番機に障害が発生し、業務継続ができなくなった場合、冗長機での本番業務の切替を実施するには、切替判断基準をもとに、停止許容時間の中で、切替判断おこなっているが、同社は、自動切替を採用している。自動切替を実施しているのは会社のポリシーとして、1分でも業務を止めないシステムを構築したいというところからである。
 こうした体制をとってはいたが、実際に業務が切り替わるような問題は発生しなかった。ところが2019年4月GWに入った4月30日、本番機のハード故障により突然マシンが停止し、知らぬ間に業務が冗長機に自動で切り替わっていた。
 同社は、万が一に備えて、本番機が停止後、5分後に業務が冗長機に切り替える仕組みを設定しており、その際、冗長機に切り替わった旨を自動で担当者にメールが送信される体制をとっている。

 

自動切替で本番業務を冗長機で開始

 大型連休に入った2019年4月30日午前8:00携帯に「本番機の異常発生により冗長機へ切り替わった」というメールが送信されてきた。メールの受信を受けて、会社に出社し、状況確認を行ったところ冗長機でも問題なく業務が稼働していることを確認した。
 「もし自動切替の体制をとっていなかったら、気づかない間にマシンが止まり、連休中ずっと停止していたことになるのでこの運用体制をおこなっていて本当によかった。」と有井氏は振り返る。
 連休とはいえ、海外からの取引など業務は稼働しているため、マシンが停止してしまうとその影響は少なくはない。今回は、大型連休ということもあったが、マシンが停止してすぐに冗長機に業務が自動切替したため影響はほとんどなかった。
 今回業務の切替後も、業務は問題なく冗長機で稼働していたため、復旧は連休明けにおこなうことにした。連休明けにシステム保守を担当しているアイ・ユー・ケイ様とビーティスのサポートを受け、切り戻し作業を開始した。5月7日に本番機の修理が完了し、冗長機から本番機へデータを送信。5月12日に冗長機から本番機への切り戻しを実行。問題なくデータも復元され通常稼働に戻った。
「毎年切替訓練を実施しているため、切り戻し作業はスムーズにできました。」(伊達氏)

 

年1回の切替テストを実施し体制は万全!

 今回のマシン停止により、その後の復旧作業もスムーズに実施できたのは、毎年1回部内で切替訓練をおこなっているからである。
 切替訓練の実施により、運用ルールが共有化され、万が一どこで何が起こっても誰でも切り戻しができるような体制を整えている。
 システム部は、大阪4名、名古屋3名、群馬1名の8名体制である。切替訓練は、テレビ会議を利用しながら、実際に画面を映して、部内で確認しながら訓練を実施している。主に本社から離れている名古屋、群馬のシステム担当者を中心に実施している。テレビ会議を利用することで部内での共有もスムーズにできるようになった。
 こうした訓練を定期的におこない、拠点の担当者が中心となって切替ができる体制が整っている。
 「今回の切替の件で、また同様の障害が発生したとしても、今後も問題なく復旧作業ができます。」と伊達氏は言う。
同社では、QUICK-EDDの機能をうまく運用にのせながら、特にトラブル等もなく順調に稼働している。

 

将来的な取り組み・課題

 将来的には、amazonのように、スマートフォンから同社の製品を注文し、カード決済ができるようになるのが理想である。 ただ、製品の出荷、配達の問題や仕様がお客様によって様々なためまだまだ課題が多いのが現状だ。
「5年前くらいから企画はあがっていますが、現実的にはまだ難しい。」と有井氏は語っていた。
 何トンもあるような製品が、スマートフォンを使って発注し、納品されるような日がくるのも遠くないのかもしれない。

会社概要

名 称 :株式会社オーアンドケー
事業内容:冷間圧造用鋼線の国内および海外向け製造販売
URL     :https://oandk-co.com/

専務取締役 システム本部長 有井 愼二氏
システム本部システム室長  伊達 孝高氏
システム本部システム室   前野 英司氏
システム本部システム室   花田 周一郎氏

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